アクティブシニアインタビュー シリーズ②

       
シニアインタビュー

まだまだ成長したいと思います

金濱 茂さん(68歳)

【プロフィール】
1952年・虻田町(現・洞爺湖町)生まれ。室蘭市在住。高校教員として38年間、道内各地で勤務。高校長で定年退職後、体育館の業務補助・水族館の臨時職員を経て、社会福祉法人室蘭言泉学園で勤務し、現在に至る。

――金濱さんは、定年退職後もお仕事をされようと思っていたのですか?

金濱茂さん(以下、金濱):退職前は室蘭市内にある自宅から離れて勤務していたこともり、定年退職後はしばらく仕事をしないで、自宅の手入れや現職時代の整理をしようと決めていました。
 ところが、退職し秋が近づいてきた頃、これらのことにも目途が立ち、毎日が退屈に感じるようになりました。釣りはしていましたけど、ボーっとしてきてモヤモヤ感もあって…。徐々に「自分のために働こう」と考えるようになり何度かハローワークに通い、定年後最初の仕事を見つけました。

――現在、金濱さんは社会福祉法人室蘭言泉学園(室蘭市)(以下、言泉さん)でお勤めされていますが、どういうきっかけだったのでしょうか?

金濱茂さん(以下、金濱):今の仕事をする前に、登別市総合体育館で業務補助員と室蘭水族館の臨時職員として遊具の管理をしていました。私としては、夕方には家に帰れる通年の仕事をしたいと思っていたのですが、体育館は遅番勤務があり、水族館は冬の間閉園しているので仕事がありませんでした。
 アクティブシニアに関する講演を聞く機会があり、その後、言泉さんの求人を見つけ、お試し就労のような形で入りました。お試し就労はハローワーク等にはない仕組みですが、これが良かったんです。そこで、見学や就労体験させていただき、勤務条件等について詳しく説明を受け、こちらの条件を聞いていただき、正式に採用をいただきました。

――言泉さんは働きやすい感じがしたのでしょうか?

金濱:そうですね。我々くらいの年齢だと、1時間もいればだいたいどういう職場かわかりますよね。(笑)
 私は年齢的に理事長の次になります。職員の平均年齢は40歳前後ですが、打ち合わせでは良い刺激をもらっています。

――どんな業務をされているのですか?

金濱:「通院支援」と言いまして、障がいを持つ施設の利用者さんを事業所の車に乗せて、それぞれの通院先への送迎を行います。車の運転だけではなく、担当医師に状況を伝えて診療方針を聞き、薬を受け取って施設の関係者に渡し報告を行います。通院先は室蘭市内に限らず、札幌に行くこともあります。勤務日時は利用者さんの通院先の予約時間によって左右されることもあります。

――定年後は、教員とはずいぶん異なる仕事をされていますが…

金濱:私は定年後は違う仕事をしたいと思っていました。自分が知っている仕事だと、逆に自分の経験が邪魔になることもあるかなという思いもありました。
 ただ、障がいや病気のことなど、知らないことも多かったので不安もありました。
 勤務校では学習障がい以外の障がいを持つ生徒と接する機会がありませんでしたから。ですが、わからないことは教えてもらえばよいと思っていましたから、そういう点でも職場の雰囲気は非常に大事ですね。

――お仕事のやりがいは何でしょうか?

金濱:利用者さんは、みなさん挨拶してくれたり、素直で心のきれいな人が多いので、彼らのために少しでも役に立ちたいと思っています。
 それに加えて、働くことで張り合いのある生活ができることが良いですし、新しいことをすることで、人として成長できると思っています。私は60歳から年金が出ましたが、ボランティアでもいいので何らかの形で社会とつながっていたいと思っていました。社会に出るとまだまだ知らないことに気づかされます。人と接し学びながら働くことが楽しいと思うようになり、やりがいにつながっています。
 もちろん、失敗はありますよ。(笑)

――失敗と言いますと…

金濱:例えば、利用者さんが診察券を忘れた時、私は診察してもらえないと思って本部に戻ったんですが、予約票で受診できることを教えてもらいました。若いスタッフには、「そんなことも知らないの?」と思われたかもしれません。(笑)

――お仕事は今後も続けられますか?

金濱:今のところ70歳までは今のような感じで働きたいと思っています。それ以後は、仕事の量や勤務日数・時間を減らして、週3~4日位の勤務にしたいと考えています。

――これから「アクティブシニア」になろうとしている方に一言お願いします。

仕事の相棒たちと

仕事の相棒たちと。運転は以前よりさらに慎重になったそう

金濱:一番大事なのは何かしようという「気持ち」だと思います。
 あとは、アクティブシニアを雇う側のことになりますが、60代で何回も履歴書を送ったり面接されるのは嫌になるし、何度も落ちると就労意欲も萎えますから、職場見学や就労体験をして条件が合えば、契約できるような流れがあると良いと思います。
 年を重ねると、きつい肉体労働は無理ですが、ベテランの経験を活かすことができる場所はあると思っています。採用する側も工夫して、アクティブシニアの能力や意欲を引き出し活かすようにしてほしいですし、勤務時間、賃金、福利厚生は重要なので、雇う側も頑張って検討してほしいですね。

(聞き手:佐藤隆)